得点だけでなく守備でも貢献した(写真=多田哲平)

 そんな頭脳派CBに波多秀吾監督も期待を寄せる。

【マッチレポート】市立船橋 vs 日体大柏

 「最終ラインでいろんなことを器用にできる。カバーリングの感覚にはすごく良いものがありますし、攻撃になった時もボールを運んだりとか、正確なパスを蹴れるのは特長。

 ただ、あのサイズで最終ラインでやっていくには、もうひとつ対人の強さだったり、ボールを奪う回数を増やしたりだとか、そういうところは身につけていってほしい。

 そして、もっと欲を持ってほしいなと。ここまではすごくよくやってくれていますけど、さらに上を目指せる選手だと思っている、より上を目指してほしいですね」

 1年次はほとんどトップチームの試合に絡めず、昨年の選手権予選もメンバー外。観客席から「すごい憧れというか、自分も立ちたいなと思ってみていた」そうだ。

 それが今年、新チームが立ち上がってから3月に出番を得ると、瞬く間にレギュラーに名乗りを上げた。そして掴んだ全国切符だった。

 『開』という名は『かい』ではなく、『ひらく』と読む。「未来を切り開く」という意味が込められているそうだ。

 自らのヘディング弾で全国への道を、まさしく切り開いた懸樋は、その開拓精神で日本一へと突き進む。

 「千葉県代表というのは、簡単に終われない。全国制覇はチームの大きな目標だし、自分も強く思っているので、絶対に優勝したいです。必要なのはチーム力と自分の力。周りはみんな上手いので、自分が上手くなることがチームの勝利につながると思う」

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選