試合後に小野貴裕監督と抱き合う

 PKストップを見せた後も喜ばず、平静を保っていたが「あれは去年の先輩の笠島李月くん(現拓殖大)から学んで。“俺ら(GK)は絶対に止めるから、そこで一喜一憂していたらダメだ。試合が終わって勝利が決まった瞬間までは喜ぶな”と教えてもらって。李月くんも去年の選手権の大舞台でPK戦で2試合勝った時も終わるまでは喜んでいなくて。自分はそれをベンチで見ていたのでそれを真似たというか。止めた後のリアクションがあったからこそ勝てたのかなと思います」とクールにしていた理由を説明。

 試合中は冷静さを見せていたが勝利の瞬間には思わず涙。「先輩が去年の選手権でベスト4という結果を残して、今シーズンも期待されていながら、(自分たちは)招待大会とかリーグ戦で本当に思うような結果が出ていなくて。最初の招待大会は10数チーム中最下位。大量失点、得点もゼロで。“俺じゃダメなのかな”って、自分のメンタルも沈みがちでした。その中で、今日の試合はまず0-0でPK戦まで来ることができたのがうれしくて、そしてGKとして止めて勝った。今までいろいろと言われて、それをこの勝利で1つ乗り越えられたのかなと思ったら自然と泣いてしまいました」と苦しかった胸の内を打ち明けた。

 最後に激闘を制して手に入れたインターハイへの意気込みを聞かれると「(選手権で活躍した)笠島李月くんのように注目されたいですし、もちろん出場するからには全部勝って、“今年の関東一はダメだ”と言われていたその印象を一気に変えたいです」と力強く語った。

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選