帝京 vs 前橋育英(写真=会田健司)

 後半もペースを握ったのは前橋育英だった。37分には右サイドからのパスを受けた高足善が巧みな肩トラップから決定機を迎える。しかし、これは帝京のGK川瀬隼慎にストップされた。

 一方で帝京の日比威監督は41分、FW橋本マリーク識史に代えて、エースFW齊藤慈斗をピッチに送り出す。すると46分にその齊藤が左サイドを突破して前橋育英ゴールに迫っていった。

 ところがその後は、前橋育英が立て続けにチャンスを作り出した。47分に小池のヘディングでの落としに抜け出した高足がGKと1対1を迎えると、さらに48分には、山本と小池の連係でゴールに迫る。50分にも高足が右足の鋭いシュートで先制弾を狙った。

 64分、前橋育英の山田耕介監督はFW山本に代えて、ボランチのMF根津元輝を投入。66分には大久保が抜け出しで再び決定機を迎える。島貫琢土の決死のスライディングでブロックで防がれるも、帝京に圧力をかけ続けていった。

 そしてついに均衡が破れたのは後半アディショナルタイム、70+4分だった。MF青柳龍次郎、MF堀川直人とつないでボールを預かった高足が敵陣を抜け出し右足を一閃。これがGKの手を弾きながらゴールへと吸い込まれていった。

 終了間際の劇的決勝弾で、見事に勝利した前橋育英が12大会ぶりに夏の日本一に輝いた。

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)