保善戦では復帰後初先発を飾りフル出場(写真=多田哲平)
一方で指揮官は「入江は、今日色々な想いがあったと思う」と、先発復帰までの苦労をおもんぱかった。
ある意味ここからが入江にとって”本当の勝負”である。ひとつの課題がチーム内競争に勝ち続けること。入江の負傷中に存在感を高めたDF島貫琢土(3年)をはじめタレント揃いの帝京とあって、実力者の入江であっても先発の座を守り続けるのは容易ではない。
日比監督からの要求も高い。
「帝京で勝ちたいという気持ちがあるのはもちろんだけど、あいつの場合は高校だけじゃなくて将来を見据えないといけない。普通の人ではできない体験をしているわけで、その経験値を活かして、次のステージで活躍する人間。だからこそ、もっと奮い立って自分を追い込んでトレーニングをしないと。帝京は誰が出てもおかしくないし、このまま出られる保証もないわけだから」
その厳しい言葉の裏には、特大の期待が込められている。指揮官の発破に応え、まずは帝京を13年ぶりの冬の全国に導けるか。復活の立役者となった先に、さらに大きな将来が広がっているはずだ。
(文・写真=多田哲平)
▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選