気持ちの乗った渾身のゴールを決めた(写真=多田哲平)

 「ヴェルディは本当に感謝しているクラブ。小中の6年間育ててもらって、いろんなことを教えてもらった。今の自分のサッカーの軸になっているのは、間違いなくヴェルディでの経験なので、一番イヤな恩返しができたかなと思います」と笑う。

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 そしてなにより、その値千金のゴールには、プレミアリーグ昇格へ強い気持ちが乗っていた。

 選手権予選では準決勝で國學院久我山に2-3で敗れて全国への出場権を掴むことができなかった。だからこそ、このリーグ戦に懸ける想いはなおさら強い。

 「選手権がなくなった時点で、残っているのはプリンスリーグしかなくて。本当にやることは単純で、『ここで負けたら嫌な雰囲気で終わっちゃうよね。なんとしても勝って参入戦にまずいこう』という話をしたんです。その自分の意見にみんなも乗っかってくれて、『本気でプレミアリーグに向かって進んでいこう』って」

 プレミアリーグは、帝京がいまだ到達できていない未開の舞台。選手権では1991年度を最後にタイトルから遠ざかり、今年も含めて13年間全国への出場を阻まれ続けている。インターハイでは今夏に19大会ぶりの全国制覇に寸前まで迫りながらも準優勝に終わった。それでも年代最高峰のプレミアリーグに昇格を果たしたとなれば、少なからず”名門復活”を印象付けられるのは間違いない。そして、その偉業を成し遂げた代は後世に語り継がれるだろう。

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▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2022 関東1部
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