後輩のために掴んだプレミアリーグ昇格だ(写真=多田哲平)

 とりわけ選手層の厚みは今年のチームのストロングポイントだった。夏のインターハイで負傷離脱した津久井をはじめ、怪我人が多発した年でもあったが、チームとしての強度や質は大きく落ちることはなかった。セカンドチームも埼玉県1部リーグを制して、これからプリンスリーグ2部参入戦に臨むほどの実力である。

 「怪我人は多すぎましたけど、困ったことはそんなになくて。セカンドチームの子たちのレベルが高いので、離脱する人がいても安心して試合に臨めるのが今年の良さかなと思います」

 安定した戦いで掴んだプレミアプレーオフ初出場、そして初昇格だった。プレーオフまで進みながらもなかなか昇格に手が届かないチームが多いなかで、現チームの勝負強さを証明してみせた。

 「監督から『プリンスに上がる時は何年もかかった』と聞いていました。勝負どころで勝てないというイメージを、じゃあ自分たちの代で変えようと。そういう想いはみんな持っていましたね」

 津久井はそう誇らしげに語る。まさに負のイメージを払拭した見事な昇格劇だった。

(文・写真=多田哲平)

▽高円宮杯U-18サッカーリーグ2022プレミアリーグプレーオフ(参入戦)
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