飯塚との3回戦で待望の今大会初ゴールを決めた(写真=多田哲平)

 オウイエを奮い立たせるのは、チームメイトとの絆。飯塚戦ではゴール後に自身の15番のユニホームを捲り、下に来ていた28番の練習用ユニホームを見せた。同じ寮生のFW加藤瑛士(3年)のものだ。

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 「すごく仲が良いんですけど、怪我で苦しんで、今回もメンバーに入れなくて。そんな彼への想いがあります。1、2回戦は着ていなかったんですけど、きょうは『絶対に自分がヒーローになる』という気持ちで着たら、たまたまボールが転がってきて点が決められた。彼も含めてみんなの気持ちを背負っているんだぞというのを感じながらやりました」と、オウイエは舞台裏を明かす。28番のユニホームは、まさにラッキーアイテムである。

 122人の部員中、試合に出場できるのはごく一部。競争を勝ち抜いてピッチに立つオウイエには、だからこそ強い責任感がある。「やっぱりチームメイトの応援を聞くと、自分がもっとやらなきゃいけないと思う。チームメイトの分まで点を決めようと」。

 ついに目覚めた、チームメイトの想いの大器。オウイエは次戦に向けて言う。

 「28番のユニホーム、次も着ます」

(文・写真=多田哲平)

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