東山としては過去最高成績の準優勝に輝いた(写真=矢島公彦)

 「普段から喋ってはいたんですけど、これまで以上にコミュニケーションを取るようになった。プレーのことだったり、私生活のことだったり。スタンドでも応援団長の石原尚征を中心に『日本一の応援団になるぞ』と。ホント、チーム全体から日本一になりたいという気持ちが出ているなって、見ていて感じていました」

 107人の全部員が同じ目標に向かって、ひとつにまとまっていったからこその全国準優勝だった。

 そして、その中心に立っていたのが新谷だった。ピッチの上では抜群の統率力で守備を支え、ピッチの外では先頭に立ってチームを牽引した。そのリーダーシップにこそ高校生活で培った人間性が表われていたと言える。

 「この東山高校サッカー部でプレーできたことが一番の誇りです」

 東山の新たな歴史の1ページを築いた、紛れもなく偉大なキャプテンは、最後にそう言って胸を張った。

(文=多田哲平、写真=矢島公彦)

▽第101回全国高校サッカー選手権
第101回全国高校サッカー選手権