チームは常に明るい空気に包まれていた(写真=多田哲平)

 大会では選手たちが伸び伸びとプレーしているのが印象的だった。その要因を德地監督は「和やかな雰囲気を作ってくれた大会運営のみなさんのおかげです」と笑って話したが、この指揮官ならではの選手へのアプローチこそが、自主性を引き出した主因だろう。

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 「ダメなところは厳しく言いますけど、そうじゃないところに関しては強く言いすぎず『自分たちで判断して』という感じです。ミーティング内容も『自分たちがどうしたい、どうなりたいか』をベースにして話し合ってもらう。

 試合前とかハーフタイムも、僕は気合を入れて『勝てよ』って言うよりも、緊張してビビっている選手に『大丈夫か、昨日彼女と電話しすぎたんちゃうか』とかって和ましたり。生活とサッカーを一体で考えて、私生活から自分の内面に矢印を向けてもらうことで、よりサッカーに向き合いやすい雰囲気を作ることは意識していますね。特に高校生は多感な時期で逸れやすいので」

 常に明るい空気感が包まれ、選手たちが個性を遺憾なく発揮できているチームのベースには德地監督のそうした考えがある。

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