京都共栄FW9森谷祐大(写真=会田健司)

 7月2日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2023 関西2部の第9節が行われ、Jグリーン堺で行われた大阪産大附(大阪)vs京都共栄(京都)は、スコアレスのまま迎えた後半アディショナルタイムに京都共栄がPKで先制し、1-0で勝利した。

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 両チームともにシュートシーンが少ない我慢のゲーム展開となったが、その中でも京都共栄はエースFW9森谷祐大(3年)が前線で身体を張ってボールを収め、前線から中盤までの広範囲をカバーする献身的な守備でも勝利に貢献した。

 その森谷は「自分たちはインハイから負けがずっと続いていて、一回勝って流れを変えないといけなかった中で、前節は大阪のインハイのチャンピオンに勝てて。それでも次も勝たないと意味がないという事で、今日の試合が大事だとわかっていたんですが、前半は相手の守備が堅くて上手くいかない事が多かった。でも最後までみんな気合で頑張って走れていたので、最後ファウルをもらえて決めてくれて助かりました。

 今日勝って6勝3敗。5勝4敗や5勝1分3敗になるのとは数字的にも全然違うと思うので、めちゃくちゃこの勝ちは大きい。もう少し点も取りたかったですが、勝ちは勝ちなので、前期を6勝で終われたことがとても嬉しいです」と厳しい試合を勝ち切ったことを喜んだ。

京都共栄FW9森谷祐大(写真=会田健司)

 それでも、自身が無得点に終わったという事もあり「ボールを収められたのは良かったですが、強いDFが相手でも振り向いてすぐシュートを打ったり、もう一個剥がしたりしてシュートを打たないと」と課題も口にした森谷。

 京都共栄は第7節に神戸弘陵、8節に金光大阪と兵庫と大阪のインハイチャンピオンとの対決が続いたが「自分たちは今回(インターハイ京都予選で)ベスト8だったので、どことやってもチャレンジャーでやるしかない。失うものもないので、失敗したらそこで(流れを一度)切ればいい。他の県のチャンピオンとでも、自分たちがやることをしっかりやれば戦えると思いましたし、内容はどうであれ結果が出たことで、"自分たちは他でも出来るぞ!"と感じて自信になりました」とこの2試合で1勝出来たことが自信に繋がった。それだけに、エースはこの試合でゴールを決められなかった事を誰よりも悔やんだ。

 「去年プリンス昇格が決まった時から、他の県のチームや全国の常連校と試合が出来るのを凄く楽しみにしていたんですが、近畿大会でケガをしてしまって。それでも出たい気持ちが強くてベンチには入らせてもらっていたんですが、足のケガで走れなかったので試合には出ていませんでした。それで上半身を鍛え始めたんですが、収めるところだったりヘディングも強くなった。ボールキープや収めるところは凄くその筋トレが効いていると感じます」。

京都共栄FW9森谷祐大(写真=会田健司)

 ケガで序盤のリーグ戦に出場できなかった森谷は「正直、歳下の子が出ていて自分のポジションが帰った時にあるのかという心配はありました」と焦る気持ちもありながら、今できる事にフォーカスして上半身を強化。復帰後のプレーにもその効果は表れた。

 それでも個人として足りない部分を感じている森谷は「やっぱりチームとしてもそうなんですが、個人としてもっと点を取れるようにだとか、もっと収められてドリブルでも剥がせたり、もっと相手のCBから怖がられるような選手になっていかないといけないと思っています。1対1で負けないとか、当たられても倒れないとか、体作りのところももっとやらないといけないので、この夏は個の部分を磨きたいと思っています」とこのリーグ中断期間で個人のレベルをさらに上げる必要性を口にした。

 そしてその先に待っているのは選手権の京都制覇。森谷はそこに向けて「東山に関しては一度も勝ったことが無くて、惜しいで終わってしまっていますし、橘も今年はめちゃくちゃ強くて、新人戦では勝てたんですが、相手もレベルアップしてくると思うので、勝てたことは忘れてリスペクトして一からチャレンジャーの気持ちで下から頑張っていきたい。東山にもインターハイを取られてしまったので、最後に一勝ぐらいはしないといけないと思っています」と選手権に照準を定め、自身とチームの成長を誓った。

 (文・写真=会田健司)