組み合わせが発表されてから静岡学園戦を想定して練習試合を繰り返したのも、青森山田戦の前に「ここを通らないと日本一には辿り着かないと」と選手に発破をかけたのも、すべては目標を達成するためのいち作業である。

　その指揮官の指導に選手も呼応した。静岡学園戦と青森山田戦の両方で決勝点を奪った根岸は以下のように語る。

　「『日本一を目指してやろう』とみんなで話していました。『プレミアリーグのWESTとEASTの1位と対戦できるのは、本当に幸せだな、絶対に勝ってやろうぜ』って」。

　その自信は2度のアップセットを通じて、さらに深まっているのは間違いない。ベスト8へ進み、目標の日本一も現実味を帯びてきた。キャプテンの山本凌(3年)は「自分が入ってからは全国大会に行けていなくて、今回が初めてでした。でも、ここ3試合勝ったなかで日本一を行けるんじゃないかなという想いが結構膨らんできています」と言う。

　目標達成まで、あと3勝。明秀日立の快進撃はどこまで続くのか、その躍進から目が離せない。

(文・写真＝多田哲平)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ（総体）
令和5年度全国高校サッカーインターハイ（総体）