ラストワンプレーで劇的逆転弾をゲット(写真=多田哲平)

 正木昌宣監督この日の主役についてこう語る。

 「昨日のプリンスリーグを見ていて、すごく状態が良かった。まだ雑なプレーはありましたけど、勝者のメンタリティというか、勝ちに持っていく雰囲気があったんですよね。昨日、新幹線で一緒に移動してきたんですけど、その時から自信に満ち溢れている感じが出ていて。きょうは苦しくなったら使おうかなと思っていたんです」

 そんな指揮官の期待に応えた小沼も、コンディションの良さは自覚している。「昨日プリンスの優勝決定戦で自分自身も結構動けていたと感じていました。新幹線のなかでも疲労を溜めないよう意識して、この試合のためにリカバリーできることはしっかりして、やれることはしっかりやってきた。それが結果として表れたんだと思います。使ってくれた正木さんへの感謝を結果で示せたので嬉しいです」と、喜びを口にする。

 現在プレミアリーグEASTは、青森山田、川崎フロンターレU-18(神奈川)、尚志(福島)が三つ巴の優勝争いを演じている。ますます熾烈な争いが予想される終盤戦で、小沼のような流れを引き寄せる選手の働きは、より重要になってくるはずだ。

 そのことを理解する小沼は、「フロンターレ戦もそうですし、前期では迷惑をかけてばかりだったので、きょうはそれの借りを返せたかなくらい。自分はサブなので、まだまだ調子に乗らず、いつもどおり積み重ねて、それが今日みたいに結果に表れたらいいなと。チームの二冠に貢献できたらいいなと思います」と今後の戦いに向けて、気持ちを引き締めた。

(文・写真=多田哲平)

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