開志学園JSCキャプテンMF10吉村太陽(写真=会田健司)
3年生にとっては最後の選手権という事で硬くなってしまうことも多いが、開志学園JSCの選手たちは時折笑顔も見せながら、上手く雰囲気を作っていた。それでも吉村は「自分たちで雰囲気を作れたというのもあるんですが、スタッフの方々がモチベーターとしてやってくれた面が大きかった」とスタッフ陣に感謝。
そして「今年のチームは良くも悪くも流れに上手く乗れるチーム。いい流れに乗せてあげたら自分たちでどんどんいい方向に行ける」と流れに乗りやすいチームだけに、キャプテンとしては間違った方向に行かないように気を付けていると語った。
今年の3年生は31人と人数も多く、ほとんどの選手が寮生活という事で、長い時間を共にしてきた。「寮生活で一年の時は不安もあったし、色々あったんですが、31人で助け合いながら日々を過ごして来たら、あっという間に3年目になっていました。一緒にいる時間が長かった分、濃い3年間になったと思うし、コミュニケーションの取りやすさや、絆は他の高校に負けない自信がある」と胸を張る吉村。
「コロナもあったし、3年間で色々と苦しんだ時期もありましたけど、ここまで乗り越えてきたので、試合中の苦しい事は全員で乗り越えられる」とこれまで経験して、乗り越えて来た事をこの選手権で表現しようとしている。
さらに「一人一人が自分の表現したいプレーがあったり、主張もあるので、それがぶつかることもあるんですけど、うまくかみ合った時にもの凄い力になる」と個性の強いメンバーが噛み合った時が強みだと話し、「夏の敗戦後からスローガンを"一"に改めて、チームがまとまってひとつになるよう普段の練習から意識して、まとまってより一層チームとして機能するようになった。悔しかったし、このままじゃ終われないと全員に火が付いた。その意味では良いバネになった」とインターハイ予選で味わった悔しさをパワーに変え、力を発揮できるようにチームが一つになった。
「当たり前のように優勝が目標ですし、優勝した後に全国でも勝てるチームを目指してやってきた。決勝から逆算して一試合一試合を考えているので、来週も再来週もしっかり目の前の試合を戦って勝ち上がってその先に全国があればいいと思っています」と意気込むキャプテン。
「チームを救うっていう点で、目に見えるゴールが欲しいですし、ゴール前の身体を張る守備だったり、自分は声で周りをリードしていくタイプなので、チームの縁の下の力持ち的な存在でうまくチームを回していきたい」と自身の役割についても語った。
(文・写真=会田健司)