経験から掴んだ自信。自信からくる余裕。大分の守護神はチームを優勝に導き、今大会のMVPに選ばれた。

　3月28日、第7回高校サッカードットコム杯in宮崎supported by アミノバイタル(運営：R.project)の決勝トーナメント決勝がアミノバイタルトレーニングセンター宮崎で行われ、大分(大分)が東京成徳大深谷(埼玉)をPK戦の末に下し見事に優勝を飾った。

　ロングキックやロングスロー、それを防いでもCKと、東京成徳大深谷が仕掛けてきた空中戦に対し、CBの2枚とGK88田口駿(新3年)は集中を切らさず、最後までゴールを割らせなかった。

　そして0-0のまま前後半が終了し、迎えたPK戦。6本目までもつれたところで田口が横っ飛びでシュートを止め、大分の優勝が決まった。

　田口は試合後、「ハイプレスで来ることはわかっていたので、しっかりCBやDFラインと協力して、前に蹴ったり、繋げるところは繋いだり。どんなシュートが来ても自分が止めてやるぞという強い気持ちを持って試合に入りました。元々PKは苦手だったんですが、今日はあまり緊張もしないで、PK戦になった時点で絶対に勝ったなと。おれが絶対に一本止めて勝つ、と思っていました」と試合を振り返った。

　「初戦から厳しいゲームが続いたんですけど、今まで1点が遠い試合が多かったんですが、(今大会は)前が決めてくれて、後ろがしっかり守る。チームワークが出来てきたので、この大会を通してひとつ成長できたのかなと思います」

　同じ寮生で家族のように仲がいいDF89伊藤太獅(新3年)、学校でいつも一緒にいるDF99佐藤羚矢(新3年)、この2CBと田口で守備とビルドアップを支えた。決勝では得点を奪えなかったが、守備陣にとってはしてやったりの試合。そして、大会を通してより一層守備陣の安定感は増した。

　「ビルドアップやロングキックは得意で自分の武器。身長は高くないんですが、予測がちゃんとできているのでハイボールも得意です。今大会も自分が一番良いキーパーだと、自信と余裕を持ってプレーするようにしていました」

　「去年はいい成績を残せませんでしたが、今年は力も付いてきたので心配なくシーズンに入れると思います。自分が一本止めて勝つ、その一本の大きさというのがわかってきたので、自分の能力をしっかり発揮していきたい」

　MVPだと伝えると、自信に満ちた表情で頷いた守護神。4月から始まるプリンスリーグでも彼のプレーに注目だ。

　(文・写真＝会田健司)

▽第7回高校サッカードットコム杯in宮崎supported by アミノバイタル
第7回高校サッカードットコム杯in宮崎supported by アミノバイタル