長い時間、押し込まれていた割に打たれたシュート数が少ないのは福大若葉の守備のうまさとともに2本で1点という決定力の高さがうかがえる。これが福大若葉の特長。伊達に強豪ひしめく福岡を勝ち上がったわけではない。その秘訣のひとつを杉山公一監督は「ひと刺しの勝負勘。『ここが勝負どころだ』というメンタリティーです。東福岡、筑陽学園などでは攻めこまれる試合、主導権を握られる試合を経験しています」とこうした試合に慣れており、そして長けていた。

 このことを裏付けるようにMF10森部絢は「試合前、たとえ先に失点しても気持ちをきらさず、守備から入って、1点を取りに行こうとしました。これまでいろいろな遠征するうえで強いチームと対戦しました。以前だったら、先制点を取られると気持ちが切れてしまい、追加点を取られることがありました。でも、リーグ戦を通して、修正できています」と守備だけでなく、メンタルも堅いようだ。

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▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)