190cmの長身と高い統率力で今大会屈指のCBとしても注目を集めていた五嶋。プレミアリーグWESTでは強力な攻撃陣を相手にしてきた。この試合でも先制するまでは相手のカウンターの芽を摘み、安定した守備を見せていた。

 しかし「カウンターを喰らわないようにというのは考えていましたけど、失点前は何回もカウンターを喰らうシーンが続いていたので、そこをやらせてしまったっていうのは、自分の力不足だと思いますし、DFとしてもキャプテンとしても、そこはもっとリスク管理の部分で改善できたと思う。本当に自分の力不足」と終盤にスイッチを入れ替えてきた相手の攻撃を防ぎきれなかったことを悔やんだ。

 「このチームなら優勝できるっていう自信もありましたし、チームとしても大津初の全国制覇を取り行こうと、強い思いで臨んだ大会だったので、達成できなくて本当に悔しいですし、本当にここにかける思いは強かった。とにかく悔しいです」

 本気で日本一を狙っていた五嶋はこの残酷な結果を前に悔し涙をこらえながら、言葉を絞り出した。

 「ここでズルズル行くようなチームではないと思いますし、プレミアも首位にいる分優勝を狙っていますし、本当は3冠を取りたかったですけど、切替えて頑張るしかない」

 インターハイ、プレミア、選手権、そのすべて制す3冠の目標は達成できなかった。だからこそ残る2冠は必ず獲る。大津の主将は必死に前を向いた。

(文・写真=会田健司)

▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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