「自分が絶対点を取ってチームを勝たせたいっていう気持ちでした」

 しかし、66分、前掛かりになった裏を突かれ、カウンターから韮崎に追加点を浴び、チームは窮地に追い込まれる。

 「交代して入って2点目を取られた時は少し焦りました」

 そんな気持ちをすぐさま落ち着かせた関塚は、自らベンチに向けて行動を起こす。

 「最初(左)サイドハーフだったんですけど、(島垣)コーチに『ちょっとフォワードやらして下さい』って言ってやらせてもらいました。自分は元々ずっとフォワードで、高校に来てあまりフォワードをやってなかったんすけど、やっぱ自分の力を出せるのはフォワードなので」

 すると、山梨学院は関塚同様に後半からピッチに登場したMF8速水仁が70分にゴールを決め、追撃を開始する。残された時間は20分、懸命に追いかける山梨学院だったが、韮崎も死に物狂いで守ってくる。そんななか、5分間のアディショナルタイムで山梨学院がミラクルを起こす。

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▽第103回全国高校サッカー選手権山梨予選
第103回全国高校サッカー選手権山梨予選