古森洋一さん
この日はJ1リーグ第38節が各地で行われ、浦和レッズは本拠地・埼玉スタジアムにアルビレックス新潟を迎え撃った。優勝の可能性はなく、残留もすでに決めた中での一戦だったが、長年レッズを引っ張ってきたFW興梠慎三とMF宇賀神友弥のラストマッチということもあり、埼スタには5万5814人が詰めかけた。
トップチームの大事な試合が浦和で開催されている中、"男塾"と呼ばれるユースのサポーターの一人、古森洋一さんは浦和ユースの選手たちをスタンドから鼓舞し続けた。応援団もいない。太鼓もない。それでも古森さんは大一番を戦う彼らを信じ、最後まで声を枯らし試合を見届けた。
「"去年の忘れ物を持って帰る"という目標が達成できて本当に良かった」
激闘を終え、歓喜に沸いている選手たちの姿を目に焼き付けた古森さんはそう言って頷いた。
1993年にJリーグが開幕し、すぐに浦和レッズに魅了された古森さん。"ミスターレッズ"こと福田正博氏にも魅せられ、夢中でトップチームを追いかけた。そんな古森さんがユースチームをみるキッカケになったのが、MF原口元気の存在だ。ユースで育った選手が、トップチームで活躍し、さらには世界の舞台に羽ばたいていく。
「応援したいというよりも、成長を見れることが自分の財産になる。それで原口が戻ってきてくれて、MF関根貴大もそう。そして今度はGK鈴木彩艶(パルマ)がビッグになっていく。そういうのを見ているのが楽しくてやめられない」
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