逗子葉山FW10大場敬之(写真=西山和広)
「怪我してもチームが勝てればいい」試合後の言葉は淡々としていながらも、揺るぎない信念を含んでいる。恐怖心を置き去りにするその覚悟が、勝利の形を決定づけた。
試合全体を通して、大場は攻撃の起点となり続けた。サイドを揺さぶり、裏へ抜け、ロングスローでリズムを変える。彼の動きは“点”でありながら、常に“線”としてチームを前へつなげていた。
そんな彼の姿に、ピッチに立つ前からすでに気迫が漂っていた。襟足を刈り上げ、スッキリとしたラインが精悍さを際立たせたヘアスタイル。「昨日やってきました。うまくいきました」と高校生らしく無邪気さをみせるが、その佇まいからは、すでに“戦う準備が整っている”という空気が漂っていた。
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▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選