横浜隼人DF6三上司士

「いつもはこぼれてきたのを狙うとふかすことが多かったんで、体を寝かせて打つことを意識してました」と振り返る右足シュートは感覚ではなく、習慣が生んだ一撃だった。

 「自分たちはチームとして“神奈川を獲る”って目標を掲げてるんで。前半からいい入りができたし、悪い時間もあったけど、全員でやり切れたのがよかった」

 前線からのハイプレス、セカンドボールへの執念。どんなに押し込まれても、彼らは“自分たちのサッカー”を手放さなかった。

「相手がどうこうより、自分たちのサッカーをしようっていうのを試合前に言ってました」と三上は振り返る。

 その姿勢こそが、横浜隼人の誇りだった。派手さよりも、泥臭さを美学に変える。得意の形で先制し、そして自らの右足で突き放した。

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▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選