桐光学園DF5陶山響(写真=K,Nishiyama)

「点がなかなか入らない状態で、やっぱり自分が1発入れてやるっていうのはずっと狙ってたし、それを体現できたのはすごくよかった」と、勝利の立役者は胸を張る。その一方で、「入りがすごくよくて、ゴールを決めたけどオフサイドになってしまった。ああいうところで決めきれてたら、もっと楽な試合になっていたと思う。逆に1つのミスで流れを変えてしまうっていうこともある。今日、選手権の難しさをみんな知ることができた」と反省も忘れなかった。

 この日の彼のプレーには、"派手さ"よりも"泥臭さ"があった。守備では味方の背中を押し、攻撃では泥臭くスペースを突く。ハーフタイムに鈴木勝大監督から「落ち着いて流し込め」と声をかけられた陶山は、その言葉を胸に後半のピッチに立った。

 「いいクロスがファーに入ってきたんで、しっかりそこに自分も飛び込むだけだった。あんまり力を入れずに面で捉えられた」と振り返った一撃が勝利を手繰り寄せた。

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▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選