その変化を体現したのが、決勝点をアシストした篠田だった。後半アディショナルタイム、相手のタックルで一度は倒されながらも、すぐに立ち上がって右サイドを突破しクロスを上げた。「倒されたとしても、そこからどれだけ早く立ち上がって、どれだけボールに食らいつけるかっていうのを日頃からやってる」。篠田は笑いながら続けた。「ちっちゃい頃に体操をやってて、倒されそうになったら前転しちゃうっていうのが身に染みついてる」。

 篠田自身は、あの場面を冷静に分析していた。「中を見たらエース(霜田)がいたので、決めてもらうことを意識してクロスを上げた。元々フォワードで、右サイドでもやらせてもらったりして、そういうところも繋がった」。そして「どんなに押し込まれたとしても裏の一発はあると思ってた。諦めない心だったり、やりきる力がある」と言い切った。

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▽第104回全国高校サッカー選手権東京予選
第104回全国高校サッカー選手権東京予選