―サッカー、生活面で日本と違うことは何ですか?

 サッカーにおいては、サッカースタイルの違いを最も感じました。基本的にポゼッションしながら時間をかけて攻める日本とは違って、オーストラリアはタテに素早いサッカーがメインです。奪ったらまずドリブルでボールを前に運ぶ、周りの選手はそれを追い越して走る。試合が落ち着く時間が少ないです。僕はボランチのプレイヤーですが、日本ではボールをさばくことの質が重要視されるのに対して、オーストラリアでは、セカンドボールを拾う、中盤で体を張ってディフェンスする、そういった能力がより重要視されるように感じました。だから、日本で評価されている選手が海外でも同じように良い評価を得られるかというと、必ずしもそうとは言えないと思います。反対に、日本では良い評価を得られない選手でも、海外では日本以上の評価を受けることもあると思います。そこは一つ、海外サッカーの難しいところであり面白いところですね。

 生活面では、例えば日本なら、おはようと一言挨拶を交わして終わるところが、向こうではおはようと言って握手やハイタッチをしたりします。ちょっとしたことですけど、いつでも誰に対しても陽気でフレンドリーなところは日本との違いを感じました。

―ドイツ5部に移籍しましたが、来季の目標、またその先の目標は何でしょうか?
 よりプロフェッショナルな環境でサッカーがしたいと思いドイツのBrandenburger SC Süd 05への移籍を決めました。5部ですが、オーストラリアの2部よりも良い環境があるということは、ドイツのサッカー人気がどれだけすごいかということを物語っていると思います。

 目標は3部のチームに入ってプロ選手になることなので、今季はまずチーム・個人の結果をしっかりと残すことを目標に頑張ります。

―星稜高校→HBO東京の経歴ですが、その時得たもので海外で役に立っているものはありますか?
 高校でもHBOでも、人間性の部分で大きく成長できたということを実感していて、それが今、海外で生活する上で役に立っているかなと思います。 星稜高校は、サッカーのみならず、人間性の部分にも重点を置いている高校でした。自主的に行動を起こす、周りに気を配る、一人一人がリーダーシップを持つ。そういったことを常日頃、厳しく言われてきました。理不尽なことや、上手くいかないことがあっても腐らずに努力する忍耐力・精神力も高校サッカーで身についたと思います。 HBOでは学生サッカーの枠を超えて、社会人の方との関わりの中で学ぶことがたくさんありました。部活のように準備された環境ではない中で、時間の使い方やサッカーに対する姿勢を改めて見つめ直すことができました。

 海外では常に想定外のことが起こり得ます。その中で自分で問題を解決して、困難な環境でも生きていく力、言葉もままならない中で、外国人とうまく人間関係を築いていく力、そういった人間性も海外でプレーする上で必要だと思います。

―最後に今後海外でプレーを希望する選手にアドバイスをお願いします。
 どんなことでも成長につながると思いますから、何があってもブレない信念を持って、頑張って下さい!!