後がなくなった米子北は何度倒されても前進を続けた佐野を中心に一点を狙ったが、「今日はキーパーの差で一本出ると思っていた」という小野監督の読み通り、22分にはMF岡田大和の決定的なシュートを、GK北村海チディが足でビッグセーブ。アディショナルタイムにはセットプレーのこぼれ球をFW中田来輝に決められたが、反撃を1点のみに留めた関東第一が2-1で逃げ切った。

 今季は、東京都1部リーグで最下位に沈む関東第一だが、「Tリーグでは勝たないといけないという気持ちから急いでいる所がある」(小野監督)とスタイルを見直し、勝ち急がないサッカーを志向したことが初戦突破の原動力になった。「出た大会で全力を尽くすのがうちのチーム。全国大会は試合をこなさないと意味がない」と指揮官が続けるように、次戦も持てる力を出し切り苦戦が続く都リーグのうっ憤を晴らすつもりだ。

(文・写真 森田将義)