22分にも青森山田に相手を突き放すゴールが生まれる。札幌に内定している左サイドMF10番檀崎竜孔がDFラインの裏をダイアゴナルランでボールを受けると、迫るDFをかわしGKの位置をュート。このプレーを冷静にこなして追加点。青森山田がゲームを優位に進める。対する大津もボランチ14番高見柊真、左MF10番水野雄太、エースストライカーの9番大崎零偉がショートパス主体の攻撃で数的有利を作ろうとするが、青森山田の固い守備の前に決定機を作ることができないまま前半を折り返す。

 しかし、後半立ち上がり、大津が青森山田のゴールを脅かす。2分に9番檀崎玲偉のポストプレーから10番水野雄太につなぎシュートに持ち込むが、ここはGK正面へ。後半14分にはまたしても9番檀崎玲偉のポストプレーで今度は自らターンしゴールを狙うが、相手DFのプレッシャーもあり、シュートはゴール右へと逸れてしまう。同15分にも9番檀崎玲偉がスペースにボール送ると右MF8番大竹悠聖がPA内で強烈なシュートを放つが、青森山田GK飯田雅浩がはじき出し、ゴールを許さない。決して後ろに重くならない青森山田が反撃に出る。同26分に9番佐々木銀士がプレスバックからボール奪取し右サイドに展開、11番バスケス・バイロンが対峙するDFを突破して深い位置からマイナスに折り返すと、途中出場の1年生17番藤原優大がタイミングをずらしたシュートで追加点を奪う。その後も運動量が落ちない青森山田がボールホルダーにプレスをかけ続け、しっかりと無失点で試合をクローズさせた。盤石の強さを見せた青森山田が準々決勝へと駒を進め、準決勝以降のさいたまスタジアムを視野に入れ始めた。

(文・佐々木竜太 写真・園内俊昭)