だがゲームはこのままでは終わらなかった。獨協埼玉は終盤に途中出場のMF森谷堅真が大仕事。怪我明けで「1発にかけていた」という1年生MFは後半39分、堤のフリーキックからヘディングで同点弾。土壇場で獨協埼玉が3ー3とし勝負は延長戦、そしてPK戦にもつれ込む。

強風でなかなかボールも止まらない中行われたPK戦は、4人目を終えて4対3とリードを奪った獨協埼玉が、先行叡明の5人目をGK西村明透がストップして激闘にピリオドを打った。

「試合前から絶対に俺が決めるっていう強い気持ちで今日の試合に挑んだのでその気持ちゴールに結びついたんだと思います」。1年生MF久保田凜が2ゴールでチームを引っ張った。

「裏に出たボールは絶対に反応するっていうのは小さい頃からやっていたので」と2列目から抜け出して1点目を奪うと、後半再び1点を追う場面ではクロスから右足ダイレクトで合わせるなど、武器だという体力で走り回り、判断の良いシュートでネットにボールを運んだ。

ちなみに「14」は下級生の有望株がつける番号。昨年は新チームからキャプテンを務める仲村がやはりこの「14」をつけて戦った。「14番は来年の軸になる人っていうことを聞いて、絶対に結果を残さなきゃなと思っていた。今日は2ゴール決められて良かったです」と久保田。

残念ながら4強進出とはならなかったが、「俺がこのチームをスタジアムとか県大に連れていけるような選手になれるように頑張りたい」と昨年の「14」のように目をぎらつかせていた。

記事提供:埼玉サッカー通信・石黒登