試合を通じて押し込まれた国際学院だが、前半の数多くない決定機を2ゴールに結びつけてゲームを有利に進めた。この試合で存在感を放ったのが右サイドで躍動した小河原龍太だ。

先制弾をアシストしたフリックも見事だったが、「オフ・ザ・ボールの動き」が武器のアタッカーが持ち味を発揮したのはやはり得点シーン。ハーフウェイライン右でパスを受けると、1トップの齊藤に叩きながら自らは中へ。齊藤の落としを佐野がワンタッチで前線に放り込むと、ここに走り込んできっちりと左足で決めて勝負の流れを手繰り寄せた。後半18分に足を攣らせて途中交代するまで右サイドからのダイアゴナルな動きやフリーランで脅威になり続けた。

「意図的に奪って、スペースをついていく動き」を標榜する国際学院にとってこの動きができているかは、チームがうまくいっているかのひとつのバロメーター。「ああいう攻撃が成功するとうちらしく攻められているし、点を決めきれなくても粘って守れるんじゃないかと思う。そういう意味で今日は前半に勝負できて良かったと思います」と酒井宏治監督は振り返った。

8強入りとはならなかったが、今季の主戦場は県1部のS1リーグとレベルアップの環境はある。「S1でいろいろなサッカーに慣れて、インターハイ、選手権ではどんなチームでも対応できるようにしたい」と語った小河原。厳しい舞台で揉まれながら、チーム力アップを目指す。

記事提供:埼玉サッカー通信・石黒登