前半が進むにつれ、ペースは那覇西へと傾いていく。全体でボールをポゼッションしながら、暑い中ゲームの主導権を握る。特に10番伊佐、8番照屋が左サイドで絡んだ時は危険な仕掛けでゴールに迫る事に成功するも、ゴールをこじ開けることは出来ず、前半はそのまま終了する。

 後半開始と共に、北越9番庄内が裏で受け、シュートを放ち、14番安藤がファーに詰めるもボールには間に合わず。その直後、那覇西17番岸本が右サイドをドリブルで独走すると、中で待ち受ける16番上村にパス。これを16番上原がシュートを放つも、ポストに弾かれる。後半4分、今度は北越12番五十嵐が右サイドから切り込み、左足でファーサイドに巻いたシュートを放つ。綺麗な弧を描いたボールはギリギリの所でGK新垣に止められる。緊迫したゲームが続く中、遂に得点が動く。同12分、カウンターからボールを得た北越は、12番五十嵐からのスルーパスに9番庄内が反応し、キレのあるドリブルで中に切れ込む。そのままシュートを放つとこれが見事にゴールに吸い込まれ、待望の先制点が生まれる。

 9番庄内、14番安藤のチャンスメイクもあり、ピンチをチャンスに変えることに成功した北越。 那覇西も最後まで自身のプレースタイルを貫くも、1点を返すことが出来ず試合終了のホイッスル。両校ボールを保持しながら、陸戦を好む同士の試合で、互いの持ち味が存分に発揮されたが、良い意味で吹っ切れ、クーリングブレークと引水タイムを上手く利用した北越が勝利をおさめた。「絶対に優勝しろよ」と那覇西にエールを贈られた北越。那覇西の想いも背負い、次戦で昨冬の全国王者の青森山田に挑む。

(文・写真=石津大輝)

 
▽令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)