前半6分、尚志7番小池が相手キーパーが前がかりになった隙をつきシュートを放つも惜しくも外れる。同9分、尚志5番渡邉が右サイドから、左サイドにいる13番石塚に大きくサイドを変え、そのままクロスをあげると9番染野がこれを収め強烈なシュートを放つもバーに弾かれる。同15分、富山第一がカウンターで9番鈴木が拾い、左サイドにいる11番碓井にボールを繋ぐと、中に切れ込みシュートを打つがこれはゴールにはならず。前半は尚志が多くチャンスを作ったが、終盤が近づくにつれ、富山第一が相手を押し込む時間が増えていくも、このまま前半は終了。

 後半が開始すると、富山第一がボールを保持し、じわじわとゴールに迫る。尚志は後半頭から出場した8番松本岳士の左サイドでの仕掛けが存在感を発揮し、活路を見出そうとする。後半19分、富山第一9番鈴木が左サイドに流れてでボールを受けると強烈なシュートを放つがこれはポストに弾かれる。同28分、ついに均衡が破れる。富山第一は、「小森とは従兄弟で、小さい時から知っていて、通じ合ってるものがある」という9番鈴木が左サイドから崩し、中央にいた8番小森にパス。これをしっかりトラップし、シュートを放つとこれが見事にゴールネットを揺らし、待望の先制点を奪う。その後、尚志も攻撃ラッシュをかけるが、集中した富山第一の守備をこじ開けることが出来ない。最後まで声を枯らさず、集中したセービングを見せたGK中村は「一点入った後は、気が緩んでしまうような時間帯もあったので、後ろから盛り上げようと思い声をかけた」と振り返った。このまま試合は富山第一が1-0で尚志を下し決勝に駒を進めた。

(文・写真=石津大輝)

 
▽令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)