終盤は互いに運動量が落ち、オープンな展開になる中で勝負を決めたのは10番だった。8分と表示されたアディショナルタイム。このままPK戦かと思われた70+5分に左ウイングバックの佐々木ムライヨセフが気力を振り絞って、前に出る。なんとか左サイドで相手DFふたりを剥がすと、潰されながらもゴール前に走り込んだ西川にラストパス。マークを冷静に外してフリーになっていたエースはきっちりとチャンスを決め切り、これが決勝点となった。
桐光学園は2年連続で決勝進出。明日の決勝で富山一に勝利すれば、選手権も含めて初の日本一のタイトルとなる。「去年は決勝で負けて悔しい思いをしている。この勝利に満足することなく、次の試合に勝ってみんなで喜びたい」とは西川の言葉。昨年は後半終了間際に追い付かれ、延長戦で勝利を逃した。その借りを返すべく、神奈川の雄がファイナルへと挑む。
(文・写真=松尾祐希)
令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)