前半、神戸弘陵は11番FW吉田翔貴が序盤で負傷交代を強いられるアクシデントも「試合にハプニングはつきもの」と試合後10番MF沖吉大夢キャプテンが話すように立て直し、代わって入った24番MF徳弘匠が大仕事をやってのける。前半23分神戸弘陵、8番MF田中祉同の左から中への仕掛けからのシュートは一度ディフェンスが弾くも24番MF徳弘匠に転がるとしっかり左へ流し込みゴール、1-0と先制する。このゴールで火が付いたのは秋田商、同29分左ロングスローのこぼれからシュートは神戸弘陵ディフェンスに当たるも中央8番MF笹原歩起に渡るとダイレクトボレー、GKの左手をかすめそのままボールはゴールイン、1-1と前半のうちに同点とすると立て続けに同34分秋田商、右クロスは一度神戸弘陵ディフェンスに弾かれるもリフレクションの競り合いを制すと7番FW原田遥翔かダイレクトボレー、ディフェンスに当たったボールは左ポストに当たると弧を描き逆サイドネットに吸い込まれゴール、2-1と逆転に成功する。前半は2-1と秋田商リードで終えると試合は後半に大きく動く。

後半10分、カウンターから抜け出した神戸弘陵はGKと1対1のシーンをファールで阻まれると秋田商4番DF田近奈生は一発レッドカードで退場に。同11分神戸弘陵、ゴール正面で得たフリーキックを「なんとなく自分が決める雰囲気があった」と試合後話した10番MF沖吉大夢が直接左隅へ叩き込み2-2と試合を振り出しに戻す。そして同15分神戸弘陵、左サイドをスピードに乗り抜け出した8番MF田中祉同が左足で切り返すと角度の無いところから右足一閃、インフロントで蹴ったボールは勢いよく逆サイドネットに突き刺さりゴール、3-2と再びリードする。

一人少なくなった秋田商も最後まで食らい付くも後一歩の所で噛み合わずチャンスを作れない。試合巧者の神戸弘陵は更に畳み掛けるも追加点は奪えず試合は3-2で終了。試合後、神戸弘陵の谷純一監督は「2試合目になって風が強くなり攻略するのが難しかった」と話すが後半風上と数的優位をしっかり活かして勝利を掴んだ神戸弘陵が2回戦へ駒を進めた。

(文・写真=甲斐雅人)

▽第98回全国高校サッカー選手権大会
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