試合が動いたのは開始4分。矢板中央は積極的な前からのハイプレッシャーでボールを奪うとショートカウンターの形に。ボールをつないで6番鶴見がミドルシュート。一度はキーパーに阻まれるも、そのこぼれ球を11番多田が落ち着いてゴール右隅に流し込んで先制点を挙げる。対する、大分は前半17分右サイドで持ち上がってから細かいパスをつなぎ、左サイドの10番の菊池へ。フリーで受けた決定機だったがここは、矢板中央の1年生キーパー藤井が好セーブ。
再び試合が動いたのは、エンドが変わった後半開始2分。MF左合が自ら獲得したPKを右下に落ち着いて決めリードを広げた。
大分はその後、51分に15番大神、57分に大森と立て続けに選手を投入し流れを呼び込む。すると後半75分7番永松が左サイドでボールを持ち、中へ浮き球の正確なクロス。これに9番森山が頭で合わせ1点を返す。流れに乗った大分はさらに67分自陣でボールを奪うと素早いカウンター。6番重見が運び、途中出場の15番大神へスルーパス。これをダイレクトで冷静に右隅へ流し込み、スコアを同点とする。
その後はお互いに譲らない一進一退の攻防が続く。後半戦終了間近には矢板中央がロングスローからファーにこぼれたところを長江が詰めるもバーの上。お互いゴール前まで迫るシーンを作るも得点はできず、試合はPK戦へ突入。
最初の5人のキッカーは全員成功。サドンデスにもつれ込む。先攻大分の6人目のキッカーはキャプテンの5番佐藤。左下を狙うも、ボールはポストに直撃し失敗。勝負は決すると思われた、後攻矢板中央の6人目3番矢野のキックは左上枠外へ。勝負は振り出しに。
大分7人目は、2番竹谷。右下に狙いすましたキックだったがこれを矢板中央1年生GK藤井がストップ。そして、矢板中央7人目20番服部が冷静にキーパーの逆を突き成功し、試合を決めた。結果は矢板中央2-2(6-5)大分。栃木県大会の決勝同様、PK戦で1年生キーパーがチームを救い、矢板中央が3年連続の2回戦進出を決めた。
(文・写真=堀井優真)
▽第98回全国高校サッカー選手権大会
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