試合開始間もなく前半2分。静岡学園15番DF西谷大世のスルーパスに抜け出した14番MF小山尚紀がPA内で3人をかわして右足一閃。先制点を奪取に成功する。

この得点で一気に静岡学園に流れが傾くかと思われたが、静岡学園、川口監督が『丸岡さんのプレスが厳しく中盤での良さが出なかった』と言う通り、素早い出足で相手に時間を与えず、ボール奪取からキープ力のある10番FW田海寧生を経由したショートカウンターを狙う丸岡。

しかし時間経緯とともに16番MF井堀二昭、18番MF藤田悠介の両ボランチが両サイドにパスを配給し始めると、今ゲーム主役となった、静岡学園14番MF小山尚紀が狭いスペースでボールを受けては相手を剥がし、前にスペースがあると果敢にドリブルで仕掛けてチャンスを演出し、チームを引っ張る。

対する丸岡は後ろからのロングボールを収めた10番FW田海寧生が独力でゴールに迫るがシュートは枠をとらえきれず。これが公式記録上で丸岡の唯一のシュートなる。すると前半アディショナルタイムに静岡学園。右サイドで8番MF浅倉廉のパスに反応した鹿島内定の10番MF松村優太が深い位置から丁寧なグランダーのパスを配給。このボールを再び14番MF小山尚紀が押し込んで2点のリード。静岡学園にとっては最高の形で前半を折り返す。

後半に入ってからは静岡学園がさらに勢いを増す。4分、静岡学園8番MF浅倉廉がバイタルエリアでボールを受けると、反転からシュートを狙うが惜しくもゴール左に逸れる。攻める手を休めない静岡学園に追加点が生まれる22分、8番MF浅倉廉がハーフライン付近からドリブルで持ち運び、相手DFに寄せられる中で強烈なシュートを放つ。GKが弾いたところを、12番FW岩本悠輝がだめ押しの3点目でゲームを決定付けた。守備に関しても被シュート1本と、パーフェクトに近い出来で2試合連続複数得点、クリーンシートの強さをみせた静岡学園がベスト16へと駒を進めた。

(文=佐々木竜太)

▽第98回全国高校サッカー選手権大会
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