先にチャンスを作ったのは都立東村山。前半8分、都立東村山9番チュクデベルが裏に抜け出し、キーパーと交錯しながらループを放つが惜しくも外れてしまう。しかし、その直後、10番藤原がキーパーとの一対一からコーナーを得ると、自らキッカーを務める。ファーサイドに蹴り込まれたボールを9番チュクデベルがヘディングで叩きこみ先制に成功する。
都立多摩工は左サイドに意識的にボールを集めゴールに迫る。都立東村山は右サイドで奪ったボールを、10番藤原や9番チュクデベルがカウンターで狙う。すると、前半14分、都立東村山は7番熊谷がカウンターから、右サイドにいる9番チュクデベルへスルーパスを通すと、これをチュクデベルが左コーナーに決めリードを2点に広げて前半を折り返す。
前半のぬかるみも乾き、グラウンドも良好で始まった後半。都立東村山は個人技とパスワークでボールを繋ぎながらゴールに迫る。対する都立多摩工はカウンターにチャンスを見出す。都立東村山は、10番藤原のシュートを皮切りに、11番田村、7番熊谷と鋭い仕掛けを左サイドで見せる。対する都立多摩工も9番貴家がクロスに対し、ニアサイドへ執念の飛び込みを見せ惜しいシーンを演出。試合終了間際に途中出場の13番森山直人の右サイドからのクロスに7番加藤が中で合わせ、都立多摩工が1点を返す。更にその直後8番坂上がゴール前でチャンスを迎えるも、僅かゴールを外れてしまい万事休す。
終盤にチャンスを作り追い上げた都立多摩工だったが、時間や環境に合わせて完璧なゲームプランを遂行し、攻撃陣のタレントを活かした都立東村山が難しい試合をモノにした。
(文・写真=石津大輝)
▽第98回全国高校サッカー選手権東京予選
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