10番FW高橋直哉(都立東大和南)

後半、日大鶴ヶ丘も選手交代などから攻勢を強め一進一退の攻防が続く。 20分を過ぎた辺りから徐々に雨脚も増すなか、試合を動かしたのは日大鶴ヶ丘。 後半24分、日大鶴ヶ丘は右サイドのスローインでの崩しからスルーパスに抜け出した2番DF丹羽悠太がゴールライン際からマイナスにクロス、走り込んだ7番MF渕沢愛斗がコンパクトにミートするとボールは都立東大和南ゴールキーパーの手をかすめて左サイドネットへゴール、1-1と同点とする。 このまま一気に日大鶴ヶ丘へ流れが傾くかと思われたが、都立東大和南にビッグチャンスが訪れる。 同31分、都立東大和南は右サイド長い距離を走った23番DF市川隼汰がスルーパスに追い付き雨のピッチを走らせるグラウンダーのクロスを中央へ送ると走り込んだのは途中出場のキャプテン10番FW高橋直哉。大半の3年生が春で引退するなかキャプテンとしてチームを牽引し、この日も「お前が最後責任取ってこい」と石川監督に送り出された10番FW高橋直哉がダイレクトで突き刺し2都立東大和南が再びリードを奪う。 ラスト10分、日大鶴ヶ丘もベンチを含め全員で声を出し食い下がる。途中出場21番FW近内蒼が相手ゴールキーパーと1対1の場面でチャンス作るも、あと一歩のところで都立東大和南ゴールが遠い。

試合はこのまま終了。都立東大和南が食らい付く日大鶴ヶ丘を退け2回戦進出を決めた。 都立東大和南の石川監督は次戦のシード堀越戦へ向けて「次の堀越は格が2つも3つも上の相手。当たり前ではあるが、今までやって来たことをしっかり出して、次の代や今後の人生に繋がる試合になるよう1週間しっかり準備をしたい」と抱負を語った。

(文・写真=甲斐雅人)

▽第98回全国高校サッカー選手権東京予選
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