堀越は3-5-2の布陣で7番坂本琉維を中心にボールを動かしながら主導権を握り、タイミングよくサイドに展開、最後に迫力満点の19番片山信歩へとボールを集めゴールに迫る。対する帝京は4-2-3-1。攻守の要の10番深澤大輝をチームの中心とし、しっかりと組織化された守備から5番山本乾太へとボールを集める。

序盤は一進一退の攻防が続く中でスコアが動いたのは20分。左サイドを深く進入した帝京5番山本乾太が左足でゴール前へセンタリングを送ると、相手DFの前に飛び込んだ13番中瀬拓夢が頭で合わせて先制に成功する。1点を追う堀越は19番片山信歩にボールを集めるが、帝京の強固な守備陣の前に効果的な攻撃を組み立てることができずにいると、33分に帝京13番中瀬拓夢に対してPA内でファウルを与えてしまい、PKを献上してしまう。ここで離されるとかなり厳しい状況になる堀越だか、守護神、榎本将之が魅せる。右隅に飛んできた処理の難しいボールを弾き出してチームのピンチを救う。前半は帝京リードで折り返すが、流れは堀越に傾きだす。

後半立ち上がり、堀越はテンポの良いパス回しで、チャンスを演出する。後半6分、7番坂本琉維を中心にサイドを広く使ったピルドアップから右サイドを崩した堀越はクロスをゴール前へ送る。1度はDFに弾かれるがこぼれ球を7番坂本琉維が右足で蹴り込み同点とする。このままの勢いで堀越が押しきるかと思いきや、帝京が反撃に出る。同11分、相手陣地中央でボールを持った10番深澤大輝から鋭い縦パス。このパスに反応したのは先制点をあげた13番中瀬拓夢。素晴らしい反転から5番山本乾太へと繋いでゴールを奪い、再び帝京が1点リードに成功する。

残り時間で最低でも1点がほしい堀越は選手交替で前線を活性化させるも、帝京の1番冨田篤弘を中心とした、守備を崩しきれずにタイムアップ。古豪復活にかけて帝京が全国への切符を掴みにいく。

(文・写真=佐々木竜太)

▽第98回全国高校サッカー選手権東京予選
第98回全国高校サッカー選手権東京予選