立ち上がり、互いにロングボールを中心に組み立てる。しっかり引いて守り2トップでカウンターを狙う都立東久留米に対し、10番MF藤井一志が攻撃を組み立て馬力のあるサイドからゴールに迫る。前半はスコアレスで折り返すとハーフタイム、東海大高輪台は18番MF足立帆に代えて7番MF苗加慶太を投入する。後半、東海大高輪台が押し込み都立東久留米総合は耐える時間が続く。後半27分東海大高輪台は8番FW細野空人に代えて9番FW塚原智也を投入し更に攻勢へ出る。チャンスは同31分東海大高輪台、右サイドを崩し20番FW横山歩夢がドリブルで突破するとペナルティエリア外から意表を突いたミドルシュート、ボールは惜しくもゴール左へ逸れる。ここで同34分、東海大高輪台は11番FW小林亮翔に代えて12番DF植山想太と投入、14番DF名倉海登を中盤の高い位置へ押し上げる。同36分に都立東久留米総合は12番FW松山翔哉に代えて8番FW山中真紘を投入、最初の交代カードを切る。直後の同38分、10番MF藤井一志が競ったこぼれ球を20番FW横山歩夢、9番FW塚原智也とつなぎシュートも都立東久留米総合1番GK酒井真がセーブ。同39分、都立東久留米総合は20番DF加藤隼吾に代えて18番MF肥沼知良を投入する。このまま誰もが延長戦に突入すると思われたが、これぞ高校サッカー、最後にドラマが訪れる。同ロスタイム+3分に都立東久留米総合はスローインから崩しクロスでコーナーキックを得ると6番MF足立真がファーに蹴ったボールは走り込んだ4番DF岩田蓮太にジャストミートし、高い打点から叩きつけてゴールイン、1-0と見事な先制ゴール。キックオフは行われることなくタイムアップで試合はそのまま終了し、都立東久留米総合が劇的ゴールで選手権の切符を手にした。

(文=甲斐雅人 写真=矢島公彦)

▽第98回全国高校サッカー選手権東京予選
第98回全国高校サッカー選手権東京予選