喜びを爆発させる山梨学院大附

 しかし、そんなチームを救ったのは188cmの大型ストライカーFW原拓人だった。
 後半20分、途中出場のFW宇佐美佑樹がエリア内で観客の度肝を抜く華麗なオーバーへッド。これは惜しくもGK市川泰成のファインセーブに阻まれたが右CKを獲得する。すると、キッカーの大場が入れたボールに原が難しい体勢ながらもヘディングで押し込み追加点。傾きかけた流れを引き戻した。

 その後は前に出るしかなくなった相手に対して、リスクマネジメントを行いながらカウンターを狙う戦い方に変更し逃げ切りを図る。東海大翔洋はビハインドを跳ね返す為にゴール前へと人数を掛けるも得点が奪えない。ようやく、アディショナルタイムにPKで主将DF畑裕喜が1点を返すも、そのゴールと同時に試合終了のホイッスル。苦しみながらも、地元山梨学院高等学校が逃げ切って3回戦へと駒を進めた。

 試合前から地元開催という難しさに悩まされていた山梨学院高等学校。その苦しい試合展開に於いてストライカー原の一撃がチームに流れを呼び込んだ。「大会前はあんまりコンディションが良くなかったが、今日の試合から戻ってきた」と語るエースがこの大事な初戦で貴重な追加点。このゴールは頂点を目指すチームに於いて大きな意味合いを持つ。「次も自分が得点を獲ってチームが勝てるようにしたい」と意気込む男の活躍に3回戦も注目が集まる。

【取材・文・写真=松尾祐希】