迎えた後半、先に攻勢を強めた東京学芸大附。開始早々3本連続のCKなどでゴールに迫ると39分、中盤のルーズボールを拾った鶴澤想が自ら左サイドへと持ち出す。一瞬のスピードでゴール前までドリブル突破すると、この決定機を冷静に決めて勝ち越し。まさに“個の力”でゴールを奪ったプレーであった。
しかし、正則も譲らない。再びリードを許す展開に奮起したのは注目のダブルボランチ。右サイドに開いた清水が深い位置からクロスを上げると、ファーサイドで合わせたのは積極的にゴール前まで駆け上がっていた野田。強烈なヘディングシュートでネットを揺らしすぐさま同点に追いついた。ボランチの2人によるホットラインで同点とした正則は勢いそのままにゴールに迫る。
するとまたもボランチ清水を起点にゴールが生まれた。45分、ボールを受けた清水がピッチ中央付近から鋭いスルーパスを通すと、このパスに抜け出した玉本将之がGKに倒されPKを獲得。この絶好機を玉本が自ら沈めてこの日初めてのリードを奪う。とうとう3対2と試合をひっくり返すことに成功し試合は終盤戦に。
勝ち越しの喜びも束の間、瞬く間に逆転された東京学芸大附。FWの選手交代を行い、50分にはカウンターから岸本、山崎航太朗と繋ぎ、ゴール前鶴澤がフリーで狙うも決めることができず。ビックチャンスをモノにできなかった前線の選手に痺れを切らしたかのようにボランチ中村がドリブル突破からペナルティエリア内に侵入、ファールを誘おうと試みるなど前線への活力を強めていくが引いて守る相手を最後まで崩せず。
FW飯島を前線に残し、ほぼ全員守備で中央にブロックを形成した正則は最後の東京学芸大附のパワープレーにも耐え、笑顔の試合終了。PKによるまさに“虎の子の一点”を守り切り3対2で勝利。嬉しいブロック決勝進出を決めた。