優勝したサガン鳥栖U-18

 残された時間は20分。このタイミングで切り札の石原央羅(3年)をピッチに送り出し、スピードを生かした仕掛けで右サイドの攻撃を活性化させようと目論む。すると、この采配が的中。直後の後半28分にMF坂井駿也(1年)が右前方に大きく展開。ピンポイントで配給したパスに石原が反応すると、角度のないところから右足を一閃。これが見事に決まり、終盤に逆転を果たした。

 このゴールで勝負が付いたかと思われたが、ここから相手の反撃にあってしまう。自陣で我慢する時間が続くと、後半36分にMF小林慶太(3年)の折り返しから梅原翔琉(3年)にシュートを放たれる。これはポストに当たって事なきを得たが、こぼれ球を拾われて最後は小林に押し込まれた。

 土壇場で再びタイスコアにされた鳥栖はもう一度戦い方を確認。慌てずに攻撃を仕掛け、再び勝ち越しを狙う。そして、迎えた後半45分。石原が右サイドを突破すると、シュート性のクロスをファーサイドに供給。これを受けたFW田中禅(3年)が完璧なトラップから左足でネットを揺らす。残り時間を凌いだ鳥栖は劇的な形で勝利。2年前にU-15クラブユース選手権を制した世代が2種年代でも結果を残し、チームに初優勝をもたらした。

▽第44回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)

第44回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)