後半、修徳はかなりハードワークを強いられた左サイドMFを11番久野から14番和田裕太に変える。

 後半開始と共に、力強いプレスを見せ始める修徳。ブロックを形成する場合も前半より位置が高く、立ち上がりでゴールを奪いたい気持ちが伝わってくる。

 そんな気持ちとは裏腹に、最初のチャンスは成立学園。後半5分、相手DFのミスを突きドリブル突破するFW10番長島。あわや一点の事態であったが、必死のDFでなんとかクリアする。さらに後半10分、成立DF3番長草優之の右サイドをえぐり、決定的なクロスを上げる。しかし、これはDF2番石原健流がギリギリの所でクリアをする。後半16分、今度はFW11番鈴木に右サイドを深い位置まで抉られ、決定的な場面になるもこれもDFラインがギリギリで対応。耐える時間が続く修徳であるが、非常に集中している。

 成立学園の猛攻が続く中、ディフェンスリーダー4番中村、3番谷中瑞基を中心に最後の最後で耐える。しかし、MF6番大野を経由しながらサイドを変えていく成立学園のポゼッションにDFが追いつかない。

 後半22分、成立学園MF7番河口海斗が右サイドをFW10番長島とのワンツーで抜け出し、中で受けたボールをゴール左隅に鮮やかなシュート。遂に成立学園が均衡を破る。

 なんとしても追いつきたい修徳、ベースの戦い方は変わらないが執念でゴール前に迫る。

 後半27分、DF2番石原がFW20番望月翔とのワンツーで抜け出し、鋭いクロスを上げるも中は合わせることは出来ない。後半28分、DF2番石原からFW20番目望月めがけてハイボールを送り、ゴール前でこぼれるもこれは誰も詰めることが出来ない。後半途中出場のFW20番の様な特徴のある選手を入れシンプルにゴールに迫ることで、修徳の攻撃意識が統一される。さらに、後半36分ボックス内でボールを持ったFW10番石原が巧みなキックフェイントから右足を振りぬく。これはゴールに向かっていくも、わずか右にそれてしまう。

 最後まで諦めないでゴールに迫るもここで試合終了のホイッスル。

 歓喜の声をあげる成立イレブンと崩れ落ちる修徳イレブン。どちらも気持ちのこもった非常に良いゲームとなったが、僅差で勝った成立学園が次に駒を進めた。「修徳とは非常に厳しいゲームになると想定していた。勝ち進んでいく中で自分たちの実力を証明出来れば」と語る宮内監督の言葉には力がこもる。今後はプレッシャーを感じずにどれだけ自分たちの戦い方が出来るかが鍵となるか。

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2015年 第94回全国高校サッカー選手権東京二次予選試合記事一覧
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