10月18日、実践学園高尾グラウンドにて選手権大会東京予選二次予選準々決勝が行われた。2回戦で実践学園と死闘の末、準々決勝進出を果たした東海大高輪台と、早稲田実業との接戦に勝利し2回戦突破を決めた成立学園の一戦は定刻通10時にキックオフを迎えた。
東海大高輪台は裏を狙ってパスを繋ぎ、前線へ向かう。対する成立学園は縦パスやサイドチェンジなど、スピードに乗りながら攻めるスタイルでリズムを作る。
まずは前半11分に成立学園が会場を沸かせる。GK吉澤凌から低いボールが前を向いてゴールへ迫る河口海斗へパス。冷静に一人交わしてシュート、しかしこれは枠を捉えず。巧みにボールを操るMF大野泰成は視野の広さでサイドのスペースにボールを出し、前線のメンバーも一気に前を向く。20分にはその大野泰成が左サイドで受けたボールを右サイド吉村伸へロングパス。DFを一人交わすもゴール前で止められてしまう。このまま成立学園のペースで前半が終了。後半から流れを作りたい東海大高輪台は静かにハーフタイムを迎えた。
後半になっても成立学園の勢いは衰えない。ボールをキープしつつも、前半と同様チャンスメイクをしっかりつくり会場を沸かせる。一方、東海大高輪台も流れを変えようと前線からボールを取りに行く。8分には木野友誉が左サイドからドリブルでゴールへ。DFの隙をついてシュートを放つも惜しくもGK正面。右サイドの水野団もボールを持つと中へ切り込んで行き、流れを少しずつ引き寄せる。しかし、交代で入ってきた町田ジェフリーが前線から確りとボールを追い、流れを持って行かせない。
試合は0-0のまま延長戦に突入するも延長戦でも決着着かずPK戦へ。このPK戦で試合終了間際に交代した成立学園GK園田悠太が魅せた。東海大高輪台の8本目、先制の成立学園はゴールを決めている。止めれば勝利の場面、キッカーが放ったボールを倒れながらもしっかりキャッチ。この瞬間に長いホイッスルが鳴り、試合は終了。10年ぶりの全国に成立学園がまた一歩近づいた。
(文 新井恵)