4強をかけて矢板中央と富山第一が激突(写真=矢島公彦)
ロングクロスからのチャンスをモノにした矢板中央が先制点を奪う
鉄壁の守りを誇り、1点が入れば勝利の確率がグッと高くなるだけに何とか先制点がほしい両チーム。後半は立ち上がりからアグレッシブなプレーが続く。まずは矢板中央がロングスローからゴールを狙うも富山第一がクリア。逆に富山第一は、奪ったボールをカウンターで運び、右サイドから7番MF福岡輝がアタック。クロスをあげるも、これは矢板中央GK藤井が直接キャッチする。
さらに富山第一は後半6分過ぎ、流れを変えるべくFW14天野碧翔に替えてMF13番鈴木太一郎を投入して局面の打開を図る。
すると後半9分に試合が動く。矢板中央は自陣からFW10番多田圭佑がロングクロスを放り込むと、反応したMF小川が富山第一DFと競り合いながらも左足を伸ばしシュート。ボールはネットを揺らし、ついに堅守を誇った富山第一の壁をこじあける。
失点を喫した富山第一は、直後にDF3番富田脩平に替えてDF25番片山大治郎を入れ、攻撃に厚みを持たせる。
その後も激しい攻防が続くが、なかなかセカンドボールが奪えずに自分たちのペースを掴めない富山第一に対し、矢板中央は後半25分にチャンスをモノにする。DF島崎のロングスローがゴール前まで伸びると、混戦からDF3番新倉礼偉が右足を振り抜きゴール。貴重な追加点を奪った。
2点のビハインドで、リスクを負ってでも点を取りに行かなければならなくなった富山第一は、後半29分過ぎにDF女川に替えてFW15番津田将を投入。すると後半34分、富山第一は矢板中央DFのファウルで、ほぼゴール中央付近でFKのチャンスを得る。エース吉倉がFKを蹴るも矢板中央のディフェンス網に阻まれゴールはならず。得点の好機を逃した。
さらに富山第一は試合終了間際の後半39分過ぎにもMF松井に替えて、チームでもトップクラスのスピードを誇るFW30番釈永蒼をピッチへ送り出す。ゴールに向けて攻撃のカードを切りあきらめない姿勢を見せるも、矢板中央の堅守は最後まで崩れることなく試合は2-0で終了。富山第一との“守り合い”を制した矢板中央が青森山田との準決勝へと駒を進めた。
(写真=矢島公彦)
▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権