限られたチャンスで同点に追い付いた山梨学院は、その後も粘り強い守備で相手の攻撃を迎え撃つ。何度もピンチを迎えたが、キャプテンのGK熊倉匠(3年)の好セーブで事なきを得た。試合は延長戦でも決着が付かず、勝負の行方はPK戦へ。すると、青森山田の2本目を熊倉が阻止し、4本目も相手が失敗。全員が成功した山梨学院がPK戦を4-2で制し、激闘に終止符を打った。

 試合後、長谷川大監督は「10回戦って、1回か2回勝てればいい相手。その1回が今日に来るようにどう戦っていくかを準備して試合に挑んだ」と展開を振り返りながら、「まだ優勝の実感がない」と素直な気持ちを述べた。その中で選手たちの成長ぶりに目を細め、「今年は特出した選手はいないけど、可能性がある子がたくさんいた。彼らの強みを磨いて、俺たちは通用する、武器はこれだという所に気が付かせられたのは良かった」と頬を緩ませた。

 スタッフの分析力と選手たちの頑張りで手にした日本一。コロナ禍の中で成し遂げた優勝は、多くの人の胸に刻まれる特別なものになったのは間違いない。

▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権