興國 vs大商学園

 後半に入り反撃に出たい大商学園は50分、左CKに合わせた4番DF上甲柊太がゴール前でヘディングシュートを放ち決定機を迎えるも惜しくもゴールならず。するとピンチを凌いだ興國は52分に左CKから5点目を挙げるとその後も大商学園を押し込み続け終了間際の83分、交代出場の2年生18番MF武本射雅がトドメのミドルシュートを突き刺し6-0で興國が勝利した。

 圧倒的な強さをみせた興國の内野智章監督は「8カ月ぶりぐらいに全員揃ったんで楽しみな部分はありました。どう評価しいいかわからないですが、対戦相手がやってよかったと思える試合をしなさい。レフリーや相手に文句を絶対言うなと、何点入っても競った展開でも謙虚に全力でやりなさいと伝えていました」とJ内定者を多く抱えるチームならではの難しさもあったようだ。それでも昨年の全国大会で自分たちのプレーが全く見せられなかった事で、選手たちは「選手権に忘れ物をしている」という意識は強いという。「Jクラブの練習で大人を相手にやっているから高校生とやってもプレーに余裕がある」という選手達としては大阪で優勝するのは通過点。「インターハイが中止になったことで一発勝負の経験値は去年の選手権からしかない。昨年から主力だった選手が多かった事がうちにはアドバンテージになると思います」と内野監督。盤石の試合運びを見せた興國が「忘れ物を取りに」全国へ突き進む。

(文・写真=会田健司)

▽第99回全国高校サッカー選手権大阪予選
第99回全国高校サッカー選手権大阪予選