快速の大手前高松FW足立大和(写真=寺下友徳)

    

 かくして狙い通り、中盤でのパスカット数を増やす大手前高松。そして56分、ついに歓喜の瞬間が訪れる。
 「ボランチを使うのが解っていた」足立のパスカットから始まった右サイドからの攻撃でボールを持ったのは正木。相手DFのスライディングをダブルタッチでかわし、左足でのコースを作った彼は「ゴールに向くような」クロスを選択。低いグラウンダーのボールは逆サイドからニアサイドに突っ込んできた松田により相手GKにブラインドを作り、そのまま逆サイドネットへ。先制点でがぜん有利となった大手前高松は残る時間は「徹底の練習もずっとやってきた」と昨年からの守護神・三谷幸記キャプテンも胸を張るリスクを回避する闘いを演じ1-0。2年連続2度目の選手権出場をクリーンシートで達成した。

 「昨年で全国の基準を知ることができたので、守備の経験値が上がってきている」試合後、後半の闘いには合格点を与えた大手前高松・川上監督。全国の舞台では「つないでいく」自分たちのスタイルは頭に残しつつ「相手にやらせなければいい」大人のサッカーも駆使し、昨年は矢板中央の前に果たせなかった全国2勝目・そして目標の「ベスト8入り」を堂々と狙う。

(文・写真=寺下友徳)

▽第99回全国高校サッカー選手権香川予選
第99回全国高校サッカー選手権香川予選