得点を喜ぶ正智深谷12番・玉城裕大

正智深谷、3年ぶり2度目のV!西武台は4冠ならず!

 11月15日、平成27年度埼玉県高校サッカー選手権大会の決勝が埼玉スタジアム2〇〇2にて行われた。今季県内3冠を獲得し波に乗る西武台に対するは、準決勝でPKまで接戦を繰り広げた正智深谷。名門チーム同士の負けられない戦いは波乱の幕開けとなった。

 開始直後の3分、スローイングから梶谷政仁が右サイド深くに入ると、マイナスにボールを戻す。ボールを受けた玉城裕大がゴール左隅へ決め正智深谷が先制点を奪取。

 その後は、西武台が主導権を握る。西武台は23分、自陣のフリーキックから一気に前線のFW川田航平へ。ペナルティエリアまで攻め込みゴール前に走りこんできたMF山口大輝が豪快にシュートを放つもポストに嫌われ、再度合わせて橋本がシュートを放つも惜しくも枠外。西武台が攻め込む時間帯が続く中、前半が終了。序盤の1点を正智深谷が守りきり、西武台が追いかける形となった。

 後半に入り、前半の早いペースとは変わり流れるようなパスを回す西武台正智深谷は合わせる形で試合に入る。

 早い時間帯に追いつきたい西武台は広い視野を駆使し、サイドを攻め上がっていく。コーナーキックの獲得が多くなった46分。川田が放ったボールは正智深谷GK・戸田海斗に跳ね返され、戻ってきたボールに橋本が反応するも惜しくもゴールならず。

 一方、攻めのペースが掴めない正智深谷は57分にMF新井晴樹が入る。入った瞬間こぼれ球に反応し、シュート。リズムを生み出し、チームの攻撃に力が入る。

 その後も交代で入った田島帆貴、須藤寿音を中心に中盤で動きを作り、流れを作る正智深谷。守備でも西武台をしっかりマークし、自由を奪っていく。

 しかし、時間が進むにつれ西武台の攻撃のペースが上がっていく。キャプテン・小川匠を前線に上げ、パワープレーを繰り返す。ボールを持っては前線へパス。サイドを攻め込めばすかさずクロスと、攻撃が早い展開で続く。同点ゴールを狙って、攻め込む西武台。後半ATに西武台に決定機が訪れるもGK正面でゴールを奪うことが出来ず万事休す。

 序盤の1点を守りきった正智深谷が、3年振りに埼玉の頂点に帰ってきた。

(文:新井恵)