作陽 vs 就実(写真=森田将義)

  このままでは終われない就実は、直後に大型選手を二人同時に投入する。ロングボールやMF山本遥生(2年)のエネルギッシュな動きで作陽ゴールに迫ると、28分には山本の左クロスから東谷がシュート。ゴール前にこぼれたボールをFW前田拓輝(2年)が押し込み、再び同点となるとそのまま前後半を終えて延長戦に突入した。

  延長戦でも決着がつかず勝負の行方はPK戦に委ねられると、ここで魅せたのは守護神のGK徳本乃耶(3年)。相手二人目のキックに対して、読みを的中させぴしゃりとシャットアウト。チームメイトも5人全員のキッカーがゴールネットを揺らし、2-2(PK5-3)で作陽が勝利した。

 前日の準々決勝に続き、難敵を退けた作陽だが、満足した様子は見られない。「まだ準決勝で勝っただけで何も成し遂げていない。一生懸命全力で戦って勝てるよう頑張りたい」と口にするのは山本だ。「僕たちはまだ冬の選手権に出たことがないので、かける想いは強い。絶対に出たい」と奥が続ける通り、選手権にかける強い想いをぶつけ王者の座に返り咲く。

(文・写真=森田将義)

▽第99回全国高校サッカー選手権岡山予選
第99回全国高校サッカー選手権岡山予選