静岡北 vs 静岡学園

    

 立ち上がりから静岡学園がボールを支配。MF6清水和馬・MF7渡辺怜歩・MF14小嶋伶の中盤3人が中央から自由に動き回ってボールに関わりながら崩すスタイルは、第98回全国高校サッカー選手権大会を制した昨年度のチームを彷彿とさせる。その静岡学園が早々に試合を動かす。前半6分静岡学園、右からMF7渡辺怜歩が左足で上げたインスイングのクロスにMF22古川陽介が頭で合わせてゴール、1-0と幸先良く先制する。
 静岡学園は同30分右からのクロスにFW19冨永日向が頭で合わせるもシュートはポスト。同33分、MF6清水和馬のフリーキックに2021年シーズン川﨑フロンターレ加入内定のDF5田邉秀斗が合わせてゴールネットを揺らすもオフサイドの判定など、あと1歩の所で静岡北を捕えることが出来ない。静岡北は奪ったボールをFW10松下魁目掛けて早めに放り込みチャンスを伺うが、静岡学園DF4関根大輝が最終ラインに立ちはだかり突破を許さない。
 圧倒的に攻め立てる静岡学園だったが、前半は1-0のまま終了、静岡学園リードで後半戦に突入。

 後半、静岡学園ペースで進むと思われたが静岡北が反撃。後半10分、静岡北は中央やや右で受けたFW10松下魁が左足で中に運ぶとディフェンスを上手くずらしてシュート、弧を描いたボールはファーサイドへ吸い込まれてファインゴール、1-1と同点にし試合を振り出しに戻す。
 王者静岡学園は慌てず自分たちのサッカーに終始する。するとここで追加点を呼び込む。静岡学園は同15分、中央をドリブルでMF6清水和馬が長い距離を運び倒されるもそのこぼれ球を拾ったMF7渡辺怜歩が更に仕掛けてディフェンスに挟まれながらシュート、右足で打ったボールはディフェンスに触られながらもゴールに吸い込まれて追加点、2-1と再びリードする。
 同26分にも静岡学園、サイド攻撃の流れから中央で受けたFW19冨永日向が相手の間をすり抜けると左足で突き刺し追加点。直後の同27分、今度は中央やや右で受けた静岡学園FW19冨永日向が少し運んでコースを作ると左足一閃、グラウンダーのシュートを右隅に決めて連続ゴール、4-1。さらに同37分、静岡学園は右からのクロスに中へ入ったMF6清水和馬がペナルティエリア内で倒されてPKの判定。これをFW19冨永日向がキッチリ決めてハットトリックを達成、5-1とし試合はこのまま終了。
 昨年の第98回全国高校サッカー選手権大会決勝戦でもゴールを挙げたFW加納大が怪我で離脱したチームを、この秋からフォワードへコンバートの冨永日向がハットトリックで勝利に導いた。

 勝利した静岡学園は浜名と準々決勝で激突する。

(文・写真=編集部)

▽第99回全国高校サッカー選手権静岡予選
第99回全国高校サッカー選手権静岡予選