武南vs埼玉栄

 10分ハーフの延長戦に入っても一進一退の攻防が続く。武南だけではなく、相手にも疲労の色が濃くなり、オープンな展開が増えた。その中で武南は懸命にボールをつなぎ、相手の背後にボールを送ってチャンスを作り出そうとする。延長後半もサイド攻撃に勝機を見出すが、なかなか得点を奪えない。

 苦しい時間帯が続いた中で、ついにスコアが動く。5分、途中出場の井上修吾(3年)からパスを受けた水野が左サイドを打開。一度はクロスを上げようと試みたが、咄嗟の判断で縦に抜ける。シュートコースはほとんどなかったが、角度のない場所から右足を一閃。強烈なシュートをファーサイドに突き刺し、待望の先制点を奪った。

 以降は相手の猛攻を跳ね返し、高い集中力でリードを守る。終了間際には井上が高い位置でボールを奪い、最後はこぼれ球を拾った植田彪真(3年)がダメ押し弾。苦しみながらも2−0で埼玉栄を下した武南は、昨年の代表校・昌平が待つ準々決勝へと駒を進めた。

▽第99回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第99回全国高校サッカー選手権埼玉予選